ウェイト系タロットの功罪

 吉祥寺の『ギャラリー&占いシコウ』をタロッティストとしての拠点として暫く、まざまざとライダー・ウエイト系タロットの限界を感じ始めてきた。

 A.E.ウェイトの『ライダー・タロット』が画期的であった点は、従来、トランプと同様にスートの象徴の数だけを並べた数札であった小アルカナを具体的な絵札に変えた事である。それ故、絵札のイメジャライズによって占いの具体的な意味をとりやすい……それが占い用としては最も適しているなどと言われて、多くのタロッティストがライダー・ウェイト系のタロットを使用している訳だが……

 ……どうも、私には、「これではダメだ」と思えてきた。

 ライダー・ウェイト系のタロットの小アルカナは確かに具体的だから意味を拾いやすい。だが具体的すぎるのだ。故に、占断の幅を狭めてしまう。時としてそれがマイナスに働いてしまうのだ。

 大アルカナの象徴は極めて普遍的なアーケタイプに対応しているので、具体的な占断のアドバイスには様々なイメジャライズを働かせる事が出来る。だが、大アルカナのみを使う占断を最近はしないようにしている。何故ならタロットをスプレッドする事は、それ自体、占者と質問者双方の意識を変化させる召喚魔術であると私は考えているので、大アルカナの霊的パワーを作用させる事には危険が伴うと考えるからである。

 当たり前の話だが、タロットによってリーディング出来る事というのは、そのカードに描かれている札の中身を読む以外にない。ウェイト版に与えられた大いなる誤解の一つは、大アルカナと小アルカナの双方に込められた秘教的象徴の有無である。今にしてみると、大アルカナの秘教的象徴について、監修者のウェイトはかなりの注文をつけていたようだが、小アルカナの総絵札化というエポックの功労者は、むしろ、作画者のパメラ・コールマン・スミスに帰する所が大であると言われている。そも、ウェイトは自著『タロット図解』の中で、タロットを占いに用いる事に対して否定的ともとれる記述をしている。しかるに、最も占いに適したタロットとしてのウェイト版という神話は迷妄かも知れないのである。

 トート・タロットは霊的なパワーが強すぎるからクライアントさんの占いには使用しない……などと考えてきた事を改める時が来ているのかも知れない。霊的事象と受け取るかどうかはタロット・リーダーとしての私次第なのだから、そんな事は関係ない……そう思うべきであろう。

 てなこって、明日(日付的には今日)も吉祥寺のタロット・リーダーをやっております。

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